計画と戦略

目次

自己理解

ここでは “自分だけの価値” を知るために3 C 分析を行っていきます。
この辺りのことをしっかり考えておかないと、自己都合の独りよがりのマーケティングになってしまいます。 
後に行う商品設計を魅力的なものにするためにも力を入れて取り組んで下さい。 

これが、何かを確かめていきます。

①自己理解の必要性

自分の商品をネットで販売していく上で大事なのは、相手目線の考え方「顧客理解」だとここまで何度かお話ししてきました。 
しかしながら、相手の立場で物事を理解するために、まず最初にやらなくてはいけないことは、自己理解です。
自分のことがよくわからなければ、相手の事も分かりませんし、どのように価値提供していけばいいのか明確にならないからです。

  • マーケティング視点からみる自分の商品の価値
  • 自分には他者と違ったどんな価値が提供できるのか 
  • 自分だけのオリジナルの色と強みは何か?

ここが分かっていないと、この後に続く情報発信の軸がブレブレになってしまいます。
自分の性格や悩み・成功体験や失敗体験などを軸に、ポジティブな強みとネガティブな強みを把握した上でこの学習を進めていきましょう。

② 3 C 分析をしよう!

3 C 分析とは、自分とそれ以外の外部要因とのかかわり合いの中から、どのような価値を与える立ち位置(バリュープロポジション)があるのかを客観的に見る方法です。
この図を見てわかるように、 自社が提供できる価値の中で、顧客の需要があり、なおかつライバルである他社が提供できないもの・・・この赤い矢印の領域が自分のバリュープロポジションです。

③ 3 C 分析の事例

例えば、弊社で運営しているサービス「副業の学校」を例にとってみましょう。
まず自社では、 SEO や Web ライティングなどの具体的なスキルの他に、全体的な Web マーケティングの知識がありました。
さらに、それらを総合的にサポートできる資金力と、安心感を与える企業としてのサービス提供ができるという強みがありました。
次に、顧客のニーズについて見ていきましょう。 
このようなオンラインスクールはデジタルコンテンツであり無形商品にあたりますから、 顧客はいつも「詐欺なのではないか?騙されたりしないか?」という損失回避の気持ちをもっています。
だからこそ、大学のサークルのような個人販売のライトなサービスよりも、企業が提供している信頼できるサービスを利用したいと思っています。
また、noteや有料のテキストコンテンツのように、枝葉のスキルをピンポイントで学習するより、体系立てて総合的に学びたいというニーズもありました。
もちろん学習においては、初心者層が多いですから、分からないことを質問できたり学べる環境や体験が必要だとも思っています。
 そして、最後に他社の状況についてです。
副業や Webスキル関係のオンラインスクール市場の中は、多くが個人のインフルエンサーなどが運営しています。そのほとんどが重厚な学習コンテンツを用意するようなものではなく、オンラインサロンのようなコミュニケーション主体のライトなサービスでした。
このような全体像を把握した時の、私のバリュープロポジションはこちらになります。

このように爆発的なトレンド感よりも、圧倒的に安心感のある老舗のオンラインスクールをイメージしています。
「情報商材」と聞くと良いイメージを抱かない人が多い中で、弊社の副業の学校に関しては、家族に相談した際も同意が取りやすいとの声も頂いております。
また、このようなデジタルコンテンツに関しては、 時間やコストを極限まで下げれば0円で短期間で作ることもできます。
そこをあえて、じっくり学習コンテンツを作成し、膨大なコストをかけて制作しました。
これが、私の強みを活かしつつ顧客のニーズにも寄り添っており、他社ができない “私のバリュープロポジション” です。 

④ 3 C 分析を考える順番 

今までさんざん「マーケティングとは顧客目線で考えるものだ!」と言ってきましたが、3 C 分析においては自社から考えていきます。 
なぜなら顧客は自分の本当の望みにまだ気づいていないことが多いからです。
顧客のニーズを起点に自分の商品を設計してしまうと、既に市場にある商品と似たり寄ったりのものしかできません。
他にはない独自の商品を生み出すためには、顧客の声を聞きすぎてはいけないのです。

自動車会社のフォードの創設者ヘンリーフォードは言いました。

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もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。

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そう。顧客のニーズを起点に考えていれば、フォードの自動車は生まれていなかったんです。
それほどまでに、顧客は自分が何が欲しいか分かってはいません。
だからこそ私達マーケターは、顧客の欲求に気づきを与えることが仕事なのです。

4-1 自社だから出せる強みは?

まずは、自分の特性だったり強みから、どんな価値を提供できるのか出来る限り洗い出してみましょう。

4-2 顧客が本当に望んでいるもの

顧客の本当に望んでいるものは何でしょうか? 
その商品が欲しいと思う奥に隠れたベネフィットや、潜在的なニーズは何だと思いますか?

4-3 他社の得意・不得意

市場の中でライバルの現状はどのようになっていますか?

  • サービスの具体的な内容
  • 平均的な価格帯
  • 他社サービスの口コミ 
  • どんなところが評価されていて
  • どんなところが酷評されているのか

思いつく限り洗い出してみましょう。  


顧客理解

前の授業では、自社(自己理解)について、考えました。
3C分析は、次の3つの要素の重なりの中で自分なりの強みを見つけて行きましたよね。

そして、次に考えるべきは “顧客理解” です。
顧客理解についてさらに深掘りするため、 ここでは STP 分析というマーケティングフレームワークを使って行きます。

① STP分析とは?

STP 分析とは「市場を俯瞰して観察し、ペルソナを絞り込み、どんなスタンスで価値を提供するのか?」この戦略を練るための方法です。

自分の商品を販売する時、どんな人に向けて売っていくのか?
そしてどんなふうにメッセージを伝えて売っていけばいいのか?
 STP 分析をすることで、間違った人にアプローチすることがなくなります。

②  セグメントを切って全体像を把握する

まずは自分がやろうとしている市場の中に、どんなお客さんがいるのか全体像を把握してみましょう。 

2-1 縦軸と横軸の指標

ざっくりと全体を俯瞰してみるマクロの視点で見るんです。
今回の場合は「オンラインスクール」という商品を例にとって、ざっくりとセグメントを切ってみました。
まずは、横の指標に男性と女性。
各性別の中にも様々な立場のお客さんがいますね。
そして縦の指標にはそれぞれの年収を配置しました。

2-2 なぜこの切り口にしたのか

性別や年齢、収入や職業、住んでいるエリアなどは、顧客の一般的なステータスであり最もよく使われる切り口だからです。

販売する商品によっては、 今回の例のようにデモグラフィックじゃなくても、別の切り口で分析するのも良いです。

③ ターゲティングしてお客さんをたった1人に絞る 

マクロの視点でセグメントを切って、自分の商品に興味を持ってくれそうなユーザーの全体像が把握できました。
しかし、このセグメント内にいる全員をお客さんにするのは不可能です。
なぜなら、全員に響くような広く浅い情報発信をしていかねばならず、元々の知名度や影響力が強烈にある人でない限り、誰にも響かないような価値を提供するハメになるからです。 

3-1 ターゲット層はどこ?

そこでセグメントを切った全体像の中から、今度はミクロの視点で想定顧客を絞り込みます。
これをターゲティングと言います。 

このセグメントの中の顧客層の中には、それぞれこのようなニーズがあると予想できます。
そして、自分のオンラインスクールに来て欲しいお客さんはどこの層なのか?
仮に、私が運営している「副業の学校」 を例にとると、以下のようになります。 

セグメント全体の中で、副業の学校がターゲットゾーンにしているのが年収200万円〜350万円の男性です。
事実、利用者の男女比は7:3で男性です。 
なぜ、ここのゾーンをターゲットにしたのかは、後のポジショニングの話にも関わってきますが、 ここが最もボリュームゾーンだと判断したからです。
「いいな」と思うターゲットゾーンが、そもそもその層に人がいなかったり、利益が得にくいような層であれば選ぶべきではありません。
基本的にビジネス系のオンラインスクールは、女性より男性の方が需要が強いですし(最近は女性の需要も増えてきた)、収入でいっても中間層が最もボリュームの高いゾーンです。

3-2 ペルソナ設定まで落とし込む

ある程度広い枠組みで、ターゲット層が決まったら、具体的な人物像(ペルソナ)にまで落とし込んでいきます。
たった1人のために、これから情報発信するつもりで考えてください!! 
一人に的を絞り、価値提供しようとした時、それは多くの人の悩みを解決することになります。
なぜなら一人の人が深く悩むことは100人の人が深く悩むことだからです。 

理由ーーーーーーーーーーーーー

たった一人の想定顧客(ペルソナ)にまで絞り込んだ時、圧倒的に顧客目線に立ちやすいからです。
例えば想像してみてください。
あなたの友達の中で、Aさんに向けてだけ情報発信をし、商品を紹介するとしたら、絶対にその道筋がブレないはずです。

  • どんな情報が必要で、どんな情報が不要なのか?
  • どんなことに悩んでおり、どんなことに興味があるのか?
  • どんな表現が刺さり、 どんなトピックに無関心なのか?

たった一人の人物にまで絞り込むと、この辺りのことが見えてきますから、【情報発信+商品設計+セールス】の流れに整合性が取れてきます。

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このターゲットゾーンの中でもっとも一般的だと思うような人物を作ります。

こんな感じで一人の人物をイメージしてみましょう。

すると・・・

  • どんな情報を提供すればいいのか?
  • どんな表現をすればいいのか?
  • その人はどこに(SNSや検索)いるのか?

顧客へのアプローチの方法が見えてきます。

④ 強みを生かした自分だけの立ち位置

そして最後に、自分の強みを活かしたポジションを確立していきます!

4-1 ポジショニングで差別化

ライバルと同じように情報発信し、同じような商品を作っても、 何の差別化にもなりません。
今は商品自体がいいのは基本中の基本ですから「選ばれる理由」を明確にしないとビジネスは成功しません。  

このように、ポジショニングマップを作っていきます。
ポジショニングマップのコツは「軸をどんな要素で取るか?」にかかっています。 
やってしまいがちなのが「価格が高い⇆価格が安い」みたいに、事実ベースで対比の軸を取ってしまうことです。
あくまでも “顧客のニーズで” 軸を取っていかなくてはいけません。
事実ベースではなく、顧客のニーズベースです。

4-2 ポジショニングの事例

顧客のニーズから考えると今回の例でいけば、
「高いけどハイクオリティ⇆安くてライトなサービス」
これはどちらのニーズもあります。
他にも WEBスキルを習得する系のオンラインスクールを購入するユーザーのニーズには、
「とにかく稼ぎたい!稼げれば何でもいい!」という実績重視型のニーズと「しっかりと学習してスキルアップしたい!」という学習重視型のニーズが存在します。
そこで、この軸も用意しました。
「実績重視⇆学習重視」
先ほどのセグメントとターゲティングの話に戻りますが、
なぜ、私がターゲットゾーンを “年収200万円〜350万円×男性” にしているのか?
それは競合サービスが、比較的若い男性へ向けたサービスであったことも1つあります。
年齢層が若ければ、所得も比較的低いわけで、サービスの価格帯もリーズナブルになります。
もちろんビジネスの性質上、商品の価格をリーズナブルにすれば中身もチープなものにせざるを得ません。
利益が取れませんからね。  
だからこそ、ミドルエイジの本気で学習したい人を、ターゲットゾーンに選んだのです。 
実際に個人が運営するオンラインスクール市場では、ライバルのポジションは以下のような傾向にあると考えます。 

この市場の中で「高価格帯ハイクオリティ✖️圧倒的学習品質」のようなハイエンド商品が未開拓な状態であることが見えてきます。
そこで、KYOKOの「教師」という真面目なキャラや「学校」という安心なイメージと掛け合わせて「副業の学校」はコンセプトメイキングされています。 

4-3 ポジショニングのコツ

ポジショニングのコツは、各エリアの四つ角のどこかでポジションを取ることです。
中心によればよるほど特徴の無い商品やサービスになってしまうんですね。
「価格も中ぐらい。内容も中ぐらい」みたいな感じで。

  • 「高いけどとにかく実績を出させる」というコンセプトのサービス
  • 「安いのにめちゃくちゃ実績が出やすい」 というコンセプトのサービス 
  • 「高いけどめちゃくちゃリッチな学習体験ができる」というコンセプトのサービス
  • 「安いけど値段の割にしっかり学習できる」というコンセプトのサービス

このどこかで飛び抜けないと、どこにでもある商品やサービスになってしまいます。
ポジショニングが決まれば、 その後の情報発信のスタイルも決まってきますよね。
「ポジショントーク」という言葉の通り、ポジショニングが確立されれば、そこを強化するための情報発信をしていくことになります。
矛盾のないように、一貫性のある情報発信を意識しましょう! 

競合分析

ここでは競合分析について学習していきます。
3 C 分析では次の三つの中から自己理解を深めていきました。 

次に STP 分析を使い 「顧客理解」についても学習してきましたね。
最後は「他社」にあたる競合分析です。
「どの市場でビジネスを展開していくのか?」これによって売り上げは大きく変わります。

はっきり言ってしまえば、これらの要素が全て揃っていれば、ビジネスはもう成功したようなものです!

いくら自分がやりたくて強みがあってもそこにマーケットがなければお金は稼げませんし、ライバルが強すぎてはコスパが良くありません。

だからこそ競合分析は徹底的にしておきましょう。 

① 市場規模の特定

まず、その市場が稼げる市場なのか?どうなのか確認する必要があります。
そのためにはまずその市場で戦っているトッププレイヤーの観察と、売り物の単価を考えなくてはいけません。

基本的に多くの人が悩みを抱える場所は、 市場規模が広くなります。
例えば、第一階層の生理的欲求に属する「食」を例にとると、市場規模がいかに広いかわかるはずです。
飲食店は世界に山ほどありますし、世の中の人全員、おなかが空きます。
ニーズが多いだけに供給も多いですよね。
しかしながら、広くリーチするビジネスは単価が安く、数を売らなければいけないことがほとんどです。

飲食店の平均客単価ーーーーーーーー

平均客単価はファーストフード652円、ファミリーレストラ ン1,058円、パブ/居酒屋2,283円、 ディナーレストラン3,201円、喫茶413円。

社団法人日本フードサービス協会 より引用

http://www.jfnet.or.jp/jf_mt_test/online/data_c_o01_2009.html

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1-1 参入市場決定のポイント

どんなに広い市場の中に入って行こうとも、 その中でなるべくニッチな領域の専門家になることです。
例えば「食」というとてつもなく広い市場に参入するとしても “飲食店” のようなライバルの多いところではなく、
「更年期女性の食生活アドバイザー」のような、自分だけの専門領域を作ってください。
ニーズはあるけど、供給が追いついていないような小さな領域で大丈夫です。 
普通、大きな企業であればあるほど、コストをかけて小さな領域に参入してくることはまずありえません。

 しかし今は、個人の時代

企業が参入できない小さな領域の専門家になり、商品やサービスを作ることができます。 

② 競合の特定

そのジャンルでどんなライバルがいるのか、様々なプラットフォームで観察してみましょう。

 YouTube であればそのジャンル内で、最もチャンネル登録者数と再生数を持っているのは誰なのか?
Twitter や Instagram では、最もフォロワー数が多く影響力のあるアカウントはどれなのか?
 Google 検索では、最も強いキーワードで上位表示しているサイトはどれなのか?

そのジャンルのトッププレイヤーをベンチマークします。
※「ベンチマークする」とは、指標を図るための参考値にする意味合いです。

③ 競合の価格帯

自分がこれからやろうとしているサービスや商品と類似する競合の価格帯はいくらでしょうか?
市場の中でトッププレイヤーを見つけたら、その人の商品を探しましょう。
大体は YouTube であれば概要欄にメルマガか LINE のリンクがあるはずです。
もしくは、ダイレクトに商品やサービスの LP(販売ページ) のリンクがあるかもしれません。
多くの場合は1ステップマーケティング(オープンな場所でダイレクトに販売する)は、しないはずなのでメルマガや LINE に登録しないと価格がわからないかもしれません。
リサーチのために登録してみてください。
低価格帯の商品であれば Twitter の固定ツイートにピン留めしてあったりもします。
(オンラインサロンや有料noteなど) 
その市場のトップ5ぐらいを、リサーチすればだいたいの相場観が分かるはずです。

④ 競合のサービス形態

競合はどのようなサービス形態で運営しているでしょうか?
以下のような切り口でじっくり観察してみましょう。 

⑤ 競合の評判

競合の特定で見つけたそのジャンルのトップ5の商品やサービスについての評判をチェックしてみましょう。
良い口コミであれば自分の商品にも生かすことができますし、悪い口コミがあれば自分の商品でも気をつけなくてはいけません。
顧客はそのジャンルの商品に対して、 どんな事柄に好感触を示し、どんな事柄に不快感を示すのか? 
そこから見えてくる顧客のニーズは自分の商品で拾いましょう! 

注意点ーーーーーーーーー

アフィリエイト広告を出稿している商品やサービスであれば、口コミの内容はあまりアテになりません。
なぜなら報酬目当てで良いことを書くユーザーが多いからです。
また、アフィリエイト広告を出していない商品やサービスでも、知名度のある人物やサービス名の場合、悪質な情報商材アフィリエイターが自分の取扱い案件に誘導するため SEO 記事で酷評する場合があります。
サイト内や記事内の内容を見て、別の商材に誘導している場合は、そのようなものだと判断して間違いありません。

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⑥ 競合のマーケティング戦略(ビジネスモデルの特定)

次に競合のビジネスモデルを特定しましょう。
「どのようなマーケティング戦略で集客〜販売までしているのか?」

このあたりです。
結論から言って、うまくいってるところのビジネスモデルは真似るべきです。
ある程度成功するビジネスの型というのは決まっています。
それは先人のマーケターが、幾年もの時間をかけて実験し、分析し、改善してきてくれた結果、すでに確立されているものでもあります。
それを、1から手探りで自分の力だけで作り出そうとするのは、非効率ですしナンセンスです。
自分の進むべき道が決まったらそのジャンルの競合のビジネスモデルを研究しましょう。
特にどんな商品をどんな導線でセールスしているのか?については、深く注目してみるといいです。

注意点ーーーーーーーーーーーー

誤解してほしくないのですが「真似ろ!」というのは「これはコンテンツをパクれ」と言ってるのではありません!
それだけは絶対にやめてください!
“必ず” バレますので、サービスや商品の内容をパクるのは絶対にダメです。
徹底的にパクるべきなのは、うまくいってるビジネスのその思想だったり、ビジネスモデルのことです。
内容ではなく、うまくいっている所の “やり方” を真似るということです。 

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ブランディングの重要性

ここではブランディングについて学習していきます。

① ブランディングとは 

ブランディングって聞くと何やら難しそうなイメージかもしれません。
ブランディングとは「〇〇といえば××」といった具合に、顧客がすぐに自分のことを想起できるようにするイメージ戦略のことなんです。
例えば「ネットビジネスに詳しい女教師」と言われれば、おそらくすぐに私の名前が上がると思います。
そんなに何人も何人もいないと思いますし、そのイメージでいけば、おそらく私がNO1でしょう。
そんな私のブランドイメージに関連付けて、ネット副業を安心安全な学校で学べるなら・・・と来れば「副業の学校」が来るはずです。
緑のスクールカラーに大学帽、そしてメガネの女教師がいるオンラインスクールです。


これは私の例えでしたが、企業のブランディングも見ていきましょう。

1-1  ニトリ

コンセプト 

幅広い商品ラインナップをリーズナブルに
キャッチコピー
お!ねだん以上ニトリ
ニトリといえば、リーズナブルな家具が幅広く取り揃えられているイメージですよね。
ハイクオリティで高級なイメージはありませんが、まあまあの品質でなんでもそろうので利用する人は多いのではないでしょうか。

1-2 スターバックス

コンセプト

ラグジュアリーな空間の提供 

キャッチコピー

「誰かを待つ時間。美味しいコーヒーがあれば、誰かを想う時間になる」

※季節により変わる。上記は冬のコピー
スターバックスのコーヒーは、競合より高いし味も他と比べて、驚くほどおいしいわけじゃありません。
それでもなお、顧客はスターバックスを選びます。
なぜか?
スターバックスのブランディングは、“コーヒーそのもの” ではなく、そこで過ごす時間や空間に重点を置いてるからなんです。
緑とブラウンのブランドカラーは、高級感はありつつもどこか落ち着いており店内の内装も統一されていますよね。
スタバのコーヒーを片手にしている人を見れば、なんだか “仕事のできる人” というイメージもあります。

1-3 Burberry 

コンセプト

高級カジュアル服
キャッチコピー
特別な人の為の服ではなく、多くの人が愛用する服=誰でも着る事の出来る服
日本で唯一、Burberryの国内販売権を持っていた三陽商会は、ブランドのラインナップとして「Burberry Blue label」「Burberry Black label」を持っていました。
もともとBurberryの本拠地はロンドンであり、コンセプトは「高級カジュアル服」なんですが、「Burberry Blue label」「Burberry Black label」では本家の価格ラインとはかけ離れたリーズナブルな価格で販売をしていました。
これが、そもそものブランド毀損というか…ブランドイメージとは違ったわけで、2015年に三陽商会は日本での販売ライセンスを失います。
三陽商会は商品から「Burberry」のロゴを外し、単に「Blue label」「Black label」として販売するのですが、ライセンス失効後の2016年の決算は前期比30.6%減で過去最悪の売上高となったわけです。
デザインとかは大して変わりませんよ!?
まるで、Burberryの服みたいです。でも「Burberry」のロゴはないし、そう謳うこともできない。
ただそれだけなのに、ここまで売れなくなるんです。
これが、ブランドの力

② WEBマーケティングにおけるブランディングの必要性 

このブランディングですが、なにも企業だけが行うものではありません。
むしろ、力の弱い個人だからこそブランディングが効いてくると思っています。
なぜなら、ブランドイメージにはセットで「信用」もついてきます。
WEBを使ってイチ個人がビジネスするわけですから、顧客との信頼関係が最も大切なことは火を見るより明らかですよね。 

例えば「副業の学校」を例にとれば、オンラインスクールなんて業界には他にもたくさんあります。
そして、似たような内容が学べるにも関わらず弊社のスクールよりもリーズナブルなところだってあります。
なのに、どうして選ばれるのか?
それがブランディングの力であり、“見えない価値” の部分です。 
以前に無料相談企画をやったことがあるのですが、 その際よく言われたのはこのようなことです。

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ユーザー「もし学ぶなら、高くても絶対にKYOKOさんのところが良い!!」
KYOKO「なぜですか?」 
ユーザー「KYOKOさんのところなら、きっとしっかり学べると思うから」

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これほど嬉しい言葉はありませんが、この言葉にブランディングの全てが詰め込まれています。

ブランディングをすることで・・・ーー

  • 販売者の権威性や信頼性を向上することができる
  • 個人でも単価の高い商品を販売できる
  • 値下げのリスクが回避できる
  • ポジティブイメージを顧客に持たせることができる 

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この授業の冒頭でもお話ししましたが、ブランディングとは “イメージ戦略” なんです。
人はイメージで物を買いますし、現在のネットの世界では「何を買うか?」ではなく「誰から買うか?」が最も重要だと言われています。
同じ商品でも “最も信頼している人物から” であれば、比較して高くても、そっちから買うものです。
同じ豆を使って、全く同じ味のコーヒーでも、無名の喫茶店のものより割高でもスタバのコーヒーを好んでみんな飲みますよね。
ブランディングの力によって加えられた「価格プレミアム」
 つまり「高くてもいいからその商品を選びたい」という “見えない価値” なんですね。


ブランディングの方法

ここでは具体的なブランディングの方法について学習していきます。

① 個人ブランディングと商品ブランディング 

私たち個人が Webマーケティングで行うイメージ戦略には、個人ブランディング商品ブランディングの2つがあります。
複数の商品ラインナップを持つ人であれば、“シリーズブランド” もあるでしょうね。
こちらに関してはビジネスがかなり成熟した段階で考えればいいことなので、今回の授業では割愛しますが、このように階層ごとのブランディングも考えていかなくてはいけません。 

1-1 個人ブランディング 

個人でビジネスをする際に最も上の階層にあるブランディング戦略が、個人ブランディングです。
個人の強みや特徴を元に、その下の階層である “商品ブランディング” も決まってきます。
例えば、もともと教員一家で育ったKYOKOという人間が販売者であった時、その特徴や強みって次のようなものになると思うんです。

このような個人の色と言いますか・・・独自性をもとにして商品のブランドイメージも決めていくと良いです。
地味で真面目なイメージの私が、 こんな商品を販売してもイメージ違いですよね?

 【遊びながら稼げる・フワっとネットビジネス】

どうでしょう?
なんだか違和感を感じるはずです。
「KYOKO」という個人のブランディングを活かすのであればやっぱり「副業の学校」じゃないですか?
堅くて、重厚感のあるしっかり学べるイメージがある「学校」です。 
自分のキャラクターから大きく外れたような商品を作るとスベりますので、まずは自分をよく知りましょう。

1-2 商品ブランディング 

商品ブランディングはその名の通り商品のブランドイメージです。
これは個人ブランディングをもとにして考えるとスムーズですね。
先ほどの例のように、“KYOKO” であれば “学校” といった感じです。
商品のブランディングをする際は、自分の強み “だけ” を反映させるだけでは、少し足りません。

「自分の強み+顧客のニーズ(ベネフィット)+競合との差別化」

ここに自分だけの立ち位置があります。
自分だけの強みがあっても、 顧客のニーズがなかったり、競合も似た色を持っていれば意味がありません。 
このようなことを考えた上で「副業の学校」という商品の商品ブランディングを見ていくとこのようになります。

これらは、KYOKOの強みがあり、 顧客のニーズがあり、ライバル商品が手薄な領域です。

② 誰に向けてのブランド確立なのか?

ブランディングで大切なのは「誰に向けてのブランド確立なのか?」です。

  • 自分がそうしたいから
  • 自分がそう伝えたいから

ではなく、顧客の目線で考えてみてください。

2-1 ペルソナの好むブランドイメージとは?

当講座の「顧客理解」の授業でペルソナ設定については学習しましたよね?
「自分が誰に向けて商売をするのか」このターゲット層の中から、具体的な想定顧客をたった1人に絞り込んだのがペルソナです。

仮に、このペルソナの名前を田中さんとしましょう。
それでは、田中さんを頭の中にイメージしてみてください。
田中さんがもしあなたの手がけるジャンルの商品を購入しようとした時どんなブランドを好むと思いますか?
年齢やライフスタイルによっても違うと思いますし、悩みの種類や深さによっても変わるかもしれません。 
ペルソナを具体的にイメージすることができていれば、田中さんが好むブランドイメージが思いつくはずです。 

副業の学校の例でいけば、全体のセグメントの中で、「中間所得層の男性」がターゲットであり、 その中で想定顧客を「田中さん」という個人にまで絞りこむと・・・

このような田中さんの想いを考えると、個人ブランディングも商品ブランディングも、誠実で真面目なイメージが適切だと思いませんか?

2-2 顧客の本当に望んでいるものは?

ペルソナが本当に望んでいるものは何でしょうか?

ブランディングをしていく時、キモとなるのが “情報発信” なのですが、ここで顧客のベネフィットを満たすメッセージをブレずに発信し続けなくてはいけません。

そして顧客が「商品を購入しよう!」と決める要因となるベネフィットは3つあります。
 

情報発信者である個人の発言や商品から伝わるイメージで、これらを顧客に感じ取ってもらわなくてはいけません。 

③ ブランディングの方法 

ブランディングとは「自分の強み・特徴・らしさ」を顧客に伝えるイメージ戦略です。

ブランディングと聞くと企業がやるイメージがありますが、個人の方が尖ったブランディングをすることができます。

なぜなら、少人数で機動力があるため、多くの部署をまたいで意見のすり合わせなどする必要がないからです。

自分でパッと決めて、パッと動けるのがスモールビジネスのいいところ!

このように全ての情報を統一し、自分だけの世界観を作りましょう!
大事なことなので強調してもう一度言います。
「自分だけの世界観を出しましょう!」
ブランディングを語るならこの言葉がピッタリ当てはまる気がするんです・・・
例えば私が、Twitter ではダイエットの話をし、Instagram ではファッションの話をし、ブログではネットビジネスの話をし・・・
これだと、ブランディングが確立されません。
いったい何の人で、どんな情報を発信している人なのか、見ている人のイメージがバシっと定まらないからです。

時々、複数のチャネルでバラバラの内容を発信している人を見かけます。
ブログではライフスタイルをテーマに扱っているのに、 Twitter ではブログの運営方法についてつぶやいている。
「いったい誰を集めたいのか!?」
こういう方は、ここをもう一度深く考え直してみてください。 
「自分が発信した情報を見て集まってくるユーザーは、自分の商品を買ってくれる人なのか?」
これです。 
これは常に考えながらビジネス全体を回していってください。
さもないと、見た目の数字(フォロワー数など)だけが多くなり、全く売上が上がらなくなります。
“欲しい人に欲しいものを届ける” のがビジネスであるということを忘れてはいけません。

SWOT分析

ここでは、SWOT分析について学習していきます。

① SWOT分析とは

SWOT分析は、自分のビジネスを客観的に分析して目標を達成するまでの戦略を練るフレームワークです。

  • 競合や市場トレンドと言った自社を取り巻く外部要因
  • 自分の商品力やブランディング、価格などの内部要因

これらをプラスの側面とマイナスの側面に分けて分析することで自己理解を深めていきます。

表のように、各項目の内容が見えてくるはずです。

  1. 自分の強み
  2. 自分の弱み
  3. 外部からの機会
  4. 外部からの脅威

これを客観的に考えてみましょう。

② SWOT分析の例

例えば、オンラインスクール事業の場合はどうでしょうか? 
競合他社を「大企業」と仮定して次の例を見てみましょう。
※SWOT分析は、競合他社や経済状況など “相手との比較” の中で行うのが基本です。

こうして見てみると自分の強みや弱みが視覚化されてきました。

自分が当たり前だと思っていたことも、 他の何かと比較することで「そこに価値がある」と気づくことができます。

③  SWOT分析から戦略を練る

SWOT分析はそれぞれの要素を掛け算することで、様々な施策や戦略を練ることができます。

それをクロスSWOT分析と言います。 

3-1 機会と強みを両方生かした “積極的な施策”

世の中の情勢と自分の強みを生かそうと思った時、これからどのような積極的施策が打てるか考えてみましょう。

例えば先ほどのオンラインスクールの例でいけば、積極的な施策は顧客との関係構築や細やかなサービス提供にあります。 

提供する学習内容も一般的なものではなく、より体験に基づいた具体的なコンテンツを提供できるでしょう。

3-2 弱みを機会の力でポジティブに転換する “弱点の強化”

次に「自分の弱みを機会の力でプラスに転換できないか?」と考えたとき、少人数で運営するからこそできる小回りのきく企画なども打てますね。 

何個も部署をまたがなくても自分一人で全て決められますからね。

そして、無機質な企業とは違い人間味を出したブランディングを通して顧客から共感を得ることもできます。

3-3 自分の強みで脅威に打ち勝つ“差別化の施策”

マイナス要素の “脅威” を、プラス要素の “強み”  で差別化していきます。

圧倒的な資金力であっという間にサービスを展開する大企業と違い、個人の運営では一人一人の顧客に寄り添った学習体験を提供することができます。 

大きな組織になればなるほど、 一般的な運営を幅広く行うことしか出来なくなるのですが、 そこを個人の強みでフレキシブルな対応をすることができます。

例えば、個人間での仕事の受発注。

突発的に個人同士が繋がれるコミュニティ感。

クライアントワークのノウハウだけでなく、個人で行うネットビジネスのノウハウを提供する。

など、大手企業との差別化施策はいくらでもあります。 

3-4 弱みと脅威が重なりあうリスク対策の “防衛と撤退”

そして最後は防衛と撤退のリスク対策です。

「もしこうなったらこうする」という “if-thenプランニング” をしておけば、いざという時も安心です。

例えば今回の場合だと、あまりにも需要に対する供給の量が増えた場合、市場がコモディティ化します。

コモディティ化とは、価値が溢れてしまうため陳腐化してしまうことを言います。

コモディティ化すれば必然的にサービスの内容よりも価格競争になりますから、その時の対策も考えておかなくてはいけません。

また、個人運営の場合、資金力や運営状況の影響から、露出の割合に波が出てしまいます。

露出しすぎれば炎上の可能性もありますし、露出が少なくなれば売上は大きく落ち込むことになります。

あまりにも酷い炎上が起きた場合は、一時撤退を考えなくてはいけませんし、もし露出が少なくなった時の対応策も事前に考えておくと安心です。 





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